BDNFってなに? 〜「神経可塑性」に関わる「BDNF(脳由来神経栄養因子)」〜
おはようございます。
ラーニング・シー福田あかりです。
今日は、BDNFの紹介です。
新しい神経ネットワークを形成し、馴染みのある神経接続を強化するために、脳は再配線し再構築する能力を持っています。
BDNFを気にする必要がなぜあるのでしょう?
BDNF(脳由来神経栄養成長因子)は、神経接続の成長と維持に関与する重要な神経化学物質です。
補足:BDNFは、神経細胞の修復、さらに学習や記憶、情動、摂食、糖代謝などにも、重要な働きをする分泌タンパク質です。
(2009.3健康科学 脳由来神経栄養因子(BDNF)の役割と運動の影響より若干編集)
BDNFレベルは、自分でコントロールできます!
<豆知識>
BDNFは中枢神経にたくさんある!
血中の90% 以上のBDNFが、血小板内にある!
<栄養素>
糖質は、断食中のBDNFレベルを低下させます
ケトーシスとオメガ3脂肪酸はBDNFレベルを改善します
<睡眠>
睡眠不足は、BDNFの水準を減少させます
<運動>
年齢に関係なく動きや運動はBDNFレベルを向上させる。
<慢性的なストレス>
コルチゾールとアドレナリンのアンバランスは骨レベルを低下させます。
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BDNFとうつや認知機能の関係
こちらの論文が他の論文をメタアナリシスした結果、
血液中のBDNFレベルが、うつ病や認知機能障害、糖代謝異常など様々な病態と複雑に関連があることを示唆しています。
例)
1)うつ症状が重いほど、血清BDNFの低下が見られる。
2)アルツハイマー病患者は、血清BDNFが低下している。
2. BDNFと運動
1)運動終了から12時間後に、脊髄のBDNFmRNAの発現が確認されている。
2)2週間以上の長期トレーニングで、海馬のBDNF発現が増加!
3)競技者は、運動で一時的にBDNFレベルが上昇するが、その後、低下する。
→論文著者の考察:骨格筋や神経損傷の修復にBDNFが利用されるのかもしれない。
→福田考察:ここで、神経の再構築が生じているのではないか?
運動トレーニングによって、より的確な動きのためのニューロンが強化されるのではないか?
2018.11運動と循環型BDNF:放出のメカニズムと運動介入設計への示唆
Physiol Nutr Metab 2018 Nov;43(11):1095-1104.
著者:Jeremy J Walsh 1, Michael E Tschakovsky 2
Freeで読めるのは、この論文の要約だけです。
要約から抜粋すると、
- 長期的なトレーニングは、脳の可塑性を刺激し、脳機能を向上させ、神経疾患の予防に役立ちます。
- 急性運動がBDNFの循環レベルを増加させます。
ということだそうです。
脳機能の維持や向上のために、運動は大事!
運動をしなかったら、BDNFが減少し、
- 認知機能が落ちる
- うつ症状
が生じる可能性が高まることが推測されるでしょう。
1分間でも、30秒間でも、スクワットやつま先立ちなど、してみるのは悪くないですね😊
皆様の健康とご多幸に乾杯✨
ラーニング・シー
福田あかり